ラマダンはイスラム教の断食の1ヶ月です。毎年30日間ほど日の出から日没までは、飲食禁止。お水も飲めないし、もちろん食事はできず、タバコもダメなのです。観光客を含め、イスラム教徒以外の人も人目につくところでの飲食や喫煙はご法度です。2019年のラマダンは5月5日から6月4日まで。2020年のラマダンは4月23日から5月23日まで、2021年のラマダンは4月12日から始まり、5月12日までの予定です。
ラマダン中は制限も多いけど、セールなどもあるし、いつもとは違ったドバイの姿がみられます。旅行の際にトランジットなどで時間があったら、観光する時間が十分になくても、少しでも見ておいたり、このときにしか食べられないものを食べておくなど、おすすめもあります。
ラマダンって何?
「ラマダン」はもともと月の名で、9番目の月だそう。日本でいう「長月」みたいなものでしょうか?
今では断食を意味するようです、イスラム教徒(ムスリム)は日の出から日没までこんなものを断ちます。
日の出と日没の時間も太陽を目視するものではなく、場所と日にちによって毎日時間が変わります。
やってはいけない事・できない事
日中の飲食、喫煙、性交渉ダメ。悪口や良くない行いはしてはいけません。
一切の飲食を断ち、食べ物のありがたさを体験するのだそうです。喫煙も断ちますので、日中は禁煙状態です。
断食なので、食を断つんだいうことはわかりますが、水も飲めないのですよね。飲食の両方ができないので、私たちがイメージする「断食」とは違います。
日中は飲食を断ちますが、日没後のお祈り後は食べることができるので、人によってはどか食いをしてしまうこともあるとか・・・。
タバコを吸う方は、吸える場所をチェックするなどしなければダメですね。
イスラム教徒でも、子供や授乳が必要なお母さんは該当しませんし、老人や体調の悪い人もやらなくていいのです。
時間が普段と違う
ラマダン中は飲食店は昼間閉めていることが多く、オープンしていても外から見えないようになっています。
デリバリーだけを受け付けるお店もありますが、基本的に営業時間が変わっていると思ってください。
勤務時間は通常よりも短くなります。早くスタートして早く帰る会社や学校もありますし、とにかく別の時間帯で全てが動くことになります。
道路も日没後のお祈りと食事の時間をめがけての、ラッシュがあり、道路が大渋滞することもあります。
みんな喉カラカラ、お腹ペコペコで苛立っていますが、怒っちゃいけないのです。そう言いながらも、機嫌の悪い人も多いですね。
ラマダンにしか見られない光景
「エフタール」という日没後のお祈りの後に食べる食事を配っていることがあります。
断食明けの食事は基本的に消化によく、エネルギー補給ができるものが多いようです。まず食べるのはお水とそのあとにスーパーフードのデーツです。デーツに関しての詳しいことは
⇒「デーツの一粒のカロリーと栄養を調べて納得!食べるならここのデーツがオススメ!」
でご紹介しています。
貧しい人のために「喜捨」の心で、お金のある方が食べ物を配る光景が目につきます。
この時期のスーパーでは、人々への施しをするための食材がたくさん売れているそうですよ。
観光客でも、列に並べば食べ物をいただくことはできます。
「あなたはイスラム教徒ですか?」と聞かれることもありません。
観光客も同じ?
観光客を含めイスラム教徒でない人たちは、この制限は受けません。
人から見えない場所であれば飲食も喫煙も可能です。
ですが、意外と人から見えない場所は少ないです。なので、ここは飲める!と思う場所ではぜひ水分補給をしてください。
車の中でも人から見える位置で飲食することもやめたほうがいいです。
私も友達の車の中でお水を飲むときには、グッとしゃがみこにで身を隠すように飲みます。
タクシーだと運転手さんがイスラム教徒の事が多いので、車の中でも飲めません。
この数年は中東は気温が高い時期のラマダンなので、外に出るのは脱水状態になる可能性が高いです。
水分補給はトイレ!になるかもしれませんが、熱中症にならないように気をつけましょう。
どこで飲食ができる?
飲食をするためには、ホテルのレストランが確実です。
小さなホテルでもイスラム教徒以外の宿泊客の多いホテルでは、カフェなども目隠しされて中は見えないようになっています。ホテルのレストランは通常通り営業していると思ってください。
空港のカフェも同じように、外から見えない状態で営業しています。中はメニューも同じですが、イスラム教徒の多い国ですので、商品アイテムはいつもより少なめです。
大きなモールのフードコートも営業しています。
フードコートの入り口に壁が作られ、外からは見えない状態になっています。
営業時間はお店によって違いますが、日没後の営業時間が長くなることも多いので、営業開始は遅めです。
2019年にはレストランはお金を支払わなくても、外から見えないようにすれば営業できるようになったらしく、昨年よりもオープンしているお店が多いです。
その場で食べられなくても、ホテルの部屋にデリバリーを頼んだりもできますし、テイクアウトならできるお店もあります。
ドバイでは、あちらこちらにコンビニくらいの大きさのグローサリーショップがあります。人目につかないところを見つけて飲食をしてくださいね。
スーパーマーケットや他のお店は基本的には通常通り営業していますが、モールなどは日中は人はとても少ないです。
2019年と2020年、2021年のラマダンの期間は?
2019年のラマダンは5月5日から6月4日までです。毎年11日くらい早くなっていくので、来年は4月終わりから。月の状態でラマダンの開始日が決まるので、その合図が「ラマダンカーリーム Ramadan Kareem」です。ラマダン中はそのサインが店頭にも飾られていたりします。
2020年のラマダンは少し早くなり4月24日から5月23日でした。
そして、2021年のラマダンは更に早くなり、4月12日〜になっています。
この時期はドバイの気温はゆうに30度は超えます。今年は比較的気温が低いけれど、それでも喉が乾きやすい時期ですから、飲める場所を見つけたら、出来るだけ水分補給はしましょう!
ラマダン中にもセールがありますが、ラマダン明けには、お正月のように休日になります。バーゲンセールも行われ、一気に消費が進みます。
とにかく、他の月とは全く様子が違うので、違うドバイをみる意味でも体験してみるのも面白いと思います。